巷では様々な保険会社のCMを目にします。

現在は価格競争が進み、国内の大手損保も代理店経由の販売のみならず、ネットでの直販チャネルも持つようになっています。

その多くの保険会社のCMでいつも気にかかることがあります。

顧客満足度NO.1という謳い文句。どの損保会社も一番じゃおかしいじゃないか。ほんとなのか?

そこで今回は、実際に事故対応で多くの保険会社と接する私が、事故対応の仕組みを説明しつつどのような解決の流れになっているのかをお話しいたします。

まず結論から申し上げますと、保険会社による対応の違いはあります。厳密にいうと担当者により違いがあるといったほうがいいでしょうか。

今回は車同士の事故で相手に怪我のある人身事故の場合を例に説明いたします。まず事故にあった場合、担当が決まりますが、実は担当は一人ではありません。

1.総合窓口的な案件係
2.物損担当のアジャスター(損害鑑定人)
3.人身担当の係

まず事故にあった場合、担当課支社(例えば富士宮市の事故なら最寄り富士支社など)が決まり、総合窓口的な担当者が決まります。事故にあわれた方ならわかると思いますが、事故後 初めてかかってくる挨拶をしてくる方のことです。女性の場合がとても多いのが特徴でしょうか。この総合窓口的な方でその保険会社の印象が決まることが多いのでとても大変な仕事だと 思います。私自身も事故にあい、はらわたが煮えくり返るような思いをして、我を忘れて大声で文句を言ってしまったこともあります。仕事の大変さもわかるのでその後反省しきりでした。

車の損害は、お互いの保険会社のアジャスターがそれぞれの相手の車両を担当することが基本になり(車両保険使用の場合は除きます)、損害の鑑定を行いますが、ある程度の損害までは、弊社の ような鈑金塗装工場が写真を電送し、立ち合いにならないこともしばしばです。電送で済む工場ですとその分納期も早くなりますので、やはり鈑金塗装に強みのある工場で修理するのがよいと思います。

人身担当はやはり怪我というデリケートな問題を扱うことになりますので、ベテランの担当の方が多いのが特徴になるでしょうか。

つまり事故にあうと、担当は一人ではないということです。ですのでお客様からよく聞く声として、2,3人からそれぞれ電話がかかってきて何をどうすればいいのかわからないというものがありますが、 それは人身の担当の方は人身関係の進展の報告を、総合的な窓口の方は事故全体の進展をしているので、お客様が混乱してしまうから起こるものなのかもしれません。

このようにしてひとつの事故に対して解決に向けて多くの人がかかわっているということを事前にわかっておけば、万が一事故にあわれた際、どっしりと構えて対応できます。

また、示談が遅いなどと言う声をよく聞きますが、お互いの車が修理完了し、怪我が完治してお互いの損害額が確定して過失割合をお互い認定して初めて示談が成立します。

お互いの損害額、過失割合が確定してから示談になるので、示談に時間がかかることはざらです。人身事故ならなおさらです。

とりとめのない話になってしまいましたが、事故にあわれた場合は、どっしりと構えて、信頼できる代理店などに相談することをお勧めします。

また、事故担当の数が少ない保険会社には注意してください。マニュアル通りの対応しかしないのでどうにもならないこともあります。

以前信号待ちをしていた際に追突されたことがあります。相手の保険会社から連絡があったのは3日後、その間修理をすることもできず(基本的に保険会社の承認がないと修理着工できない)、 もらい事故なのにもかかわらず、レンタカーも用意されず、修理代の見積もりもいきなり安くしろといわれ、憤慨した記憶があります。そのような保険会社は人員が少なく、アジャスターの業務も 他の保険会社に外注していることも多く、対応が後手になることが多いのが特徴です。保険料を安くするためにどのようなことがされているのかがよくわかります。

保険会社の対応が遅いと感じるのは、様々な理由があるのですが、もしそう感じたのなら遠慮なく連絡してみることがよいと思います。ただしその場合は落ち着いて話しましょうね。相手も感情のある人ですから。

1,保険会社による対応の違いは担当によることが多い
2,事故の担当者は一人ではない
3,示談交渉には時間がかかることが多い
4,事故対応の窓口の人も同じ人間なのであまり感情的にならずに話すべし

記事一覧